コラム

Column

2025.07.07

非化石証書の価格、取引の仕組み、企業メリットを解説

非化石証書とは?仕組みと種類、環境価値やメリットまで解説

再生可能エネルギーの導入手段のひとつとして、非化石証書が注目されています。

しかし、非化石証書の持つ環境価値や価格について、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、企業の脱炭素化に有効な手段である非化石証書の種類や価格動向、取引の仕組みまで解説します。

特に価格動向や企業におけるメリットを具体的に解説しますので、非化石証書購入を検討している企業担当の方はぜひ参考にしてください。

目次
非化石証書とは?
非化石エネルギーとは
非化石証書の持つ価値は視覚化にある
エネルギーシステムの改善と環境貢献への活用
非化石証書制度の導入背景と目的
エネルギー供給構造高度化法目標達成
再エネ賦課金の負担軽減
再生可能エネルギーへの移行を加速する
FIT非化石証書と非FIT非化石証書の種類と特徴
FIT非化石証書
非FIT非化石証書(再エネ指定あり)
非FIT非化石証書(再エネ指定なし)
非化石証書の価格決定メカニズム:オークション方式とトラッキングの重要性
オークション形式
トラッキングの重要性
非化石証書の市場と取引動向
再エネ価値取引市場
高度化法義務達成市場
市場における非化石証書の価格動向と取引量
FIT非化石証書
非FIT非化石証書 (再エネ指定・再エネ指定なし)
非化石証書を利用する企業のメリットと購入プロセス
非化石証書購入のメリット:①環境貢献と企業価値向上
非化石証書購入のメリット:②新たな事業戦略と持続可能性への寄与
非化石証書購入における3つの手段
1.再エネ価値取引市場で購入する
2.高度化法義務達成市場で購入する
3.市場を介さない相対取引で購入する
需要家による購入方法
1.需要家自身が購入する
2.代理購入事業者を通じて購入する(=非化石証書購入代行)
3.非化石証書付きの電力メニューを選択する(=再エネメニュー)
非化石証書購入時の注意点
非化石証書の展望と再生可能エネルギー市場の発展
非化石証書価値の展望
再生可能エネルギー市場の将来的発展
非化石証書の企業の脱炭素化への影響
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非化石証書とは?

非化石証書とは、非化石エネルギーによる「環境価値」に価格を付け、取引するための証書です。ではそもそも非化石エネルギーとはどのようなもので、環境価値とは何でしょうか。ここでは非化石証書の基礎を解説していきます。

非化石エネルギーとは

非化石エネルギーとは、石油や石炭、天然ガス等の化石燃料以外で、利用時に二酸化炭素の排出がないエネルギーのことです。自然由来で電力を生産可能な再生可能エネルギー(以下、再エネ)や原子力発電等が、非化石エネルギーに含まれます。日本では、国内で消費されるエネルギーの大半を供給する、電気やガス、石油事業者といったエネルギー供給事業者に対して、再エネや原子力等の非化石エネルギー源の利用、化石エネルギー原料の有効な利用を促進するための法律「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用および化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」(通称:エネルギー供給構造高度化法)が施行されています。
この制度では、販売電力量が5億kWh以上の小売電気事業者に対して、2030年までに非化石電源を44%以上にする目標を定めています。しかし、非化石電源を持たない事業者や、発電所を有しておらず取引所を利用する小売電気事業者にとっては、目標達成が難しい状況です。そこで、非化石証書の制度を導入し、設備投資をしなくても非化石エネルギーの割合を高められるようにしました。
参考:https://laws.e-gov.go.jp/law/421AC0000000072/

非化石証書の持つ価値は視覚化にある

非化石証書とは非化石エネルギーが持つ環境価値を証書として視覚化したものです。企業の脱炭素化が推進される中、非化石証書は有効な脱炭素施策として近年市場が拡大しています。

エネルギーシステムの改善と環境貢献への活用

なぜこのような非化石証書が価値を持ち、取引が行われるのでしょうか。それには世界的に深刻化する気候変動問題があげられます。石油や石炭をメインとした化石エネルギー使用は多大な温室効果ガスを排出し、気候変動の加速を招くといわれています。

しかし非化石エネルギーである再エネは、CO2等の温室効果ガスの排出量が少ないため環境負荷が少なく、自国の自然由来のため永続的な使用が可能です。持続可能なエネルギーシステムを構築するためには再エネの普及が不可欠です。非化石証書制度は、日本の再エネ普及拡大や環境貢献への道筋を作るために有効な手段といえます。

非化石証書制度の導入背景と目的

非化石証書制度が導入された背景には、次の3つがあげられます。それぞれを詳しく解説していきましょう。 エネルギー供給構造高度化法目標達成 再エネ賦課金の負担軽減 再生可能エネルギーへの移行を加速する

エネルギー供給構造高度化法目標達成

エネルギー供給構造高度化法とは、電気・ガス・石油等の事業者に対して、再エネや原子力等の非化石エネルギー利用を促進するための法律です。販売電力量が5億kWh以上の小売電気事業者に対して、2030年までに電力供給の44%以上を非化石エネルギー由来にすることを義務付けています。非化石証書はその施策のひとつであり、高度化法義務達成市場が創設されました。

再エネ賦課金の負担軽減

再エネ賦課金とは、再エネの普及拡大のために発足した固定価格買取制度(FIT)に基づき、再生可能エネルギーを固定価格で買い取るために要した費用を、電気の使用量に応じ、電気料金の一部として国民が負担する仕組みです。非化石証書の取引による売上は、再エネ賦課金の原資にあてられるため、非化石証書の市場が拡大することで国民の負担を軽減できる可能性が高まります。

再生可能エネルギーへの移行を加速する

日本はいまだ火力発電がメインであり、そのための燃料のほとんどを海外に依存しています。国際問題が複雑化した場合、海外からの燃料供給が絶たれるという危機に常にさらされているため、自国エネルギー生産の基盤づくりは喫緊の課題といえます。

また地球温暖化による気候変動は年々深刻さを増しており、地球環境に貢献するという点でもエネルギーシステムを再エネに移行することは重要です。

FIT非化石証書と非FIT非化石証書の種類と特徴

非化石証書の種類は以下の3つに分けられます。 FIT非化石証書 非FIT非化石証書(再エネ指定あり) 非FIT非化石証書(再エネ指定なし)

FIT非化石証書

太陽光、風力、小水力、バイオマス、地熱により発電したものを指します。固定価格買い取り制度(以下、FIT)の適用を受ける電源の環境価値を認証する証書で、最低価格 0.4円/kWh、最高価格 4.0円/kWhとなっています。

非FIT非化石証書(再エネ指定あり)

大型水力発電やFITの適用を受けない再エネの環境価値を認証する証書で、JEPX非化石価値取引市場における最低価格は0.6円/kWh、最高価格 は1.3円/kWhとなっています。相対取引では任意の価格で取引されています。

非FIT非化石証書(再エネ指定なし)

原子力発電など、FITの適用を受けない再エネ以外で発電された電力の環境価値を認証する証書になります。JEPX非化石価値取引市場における最低価格は0.6円/kWh、最高価格は 1.3円/kWhとなっています。相対取引では任意の価格で取引されています。

それぞれに示した通り非化石証書の価格には制限があり、最高価格が決まっています。

非化石証書の価格決定メカニズム:オークション方式と
トラッキングの
重要性

非化石証書の価格は非化石価値取引市場で、それぞれのオークション形式で決定されます。オークションの形式を次にまとめました。
FIT証書は再エネ価値取引市場においてマルチプライスオークションで取引されます。
非FIT証書は高度化法義務達成市場においてシングルプライスオークションで取引されます。

オークション形式

出典:資源エネルギー庁「非FIT非化石証書の取引に係る制度設計について」(2018年)

トラッキングの重要性

非化石証書の取引には、トラッキングが重要視されています。トラッキングとは、証書の透明性を確保するために、発電された生産地や再エネ電源の種類などの情報が付与されることです。トラッキング付FIT非化石証書は、非化石証書にそれらのトラッキング(追跡)情報を付与することで、信頼性を向上させ取引をより確実にします。

非化石証書の市場と取引動向

非化石証書の市場と取引動向について解説します。非化石価値取引市場は「JEPX(日本卸電力取引所)」が管理を行っており、証書の用途や属性に応じて、一般的に「再エネ価値取引市場」と「高度化法義務達成市場」として区分されています。これらは制度上の正式名称ではありませんが、取引目的や購入主体の違いにより便宜的にこう呼ばれています。

再エネ価値取引市場

再エネ価値取引市場は事業者の積極的な再生可能エネルギーへの取り組みを促すことを目的とています。従来は小売電気事業者のみが非化石証書を購入することができましたが、RE100等の再エネ電気へのニーズの高まりに対応するため、2021年11月より需要家も直接非化石証書を購入できるようになりました。取引対象は「FIT電源由来の非化石証書(トラッキング付き)」であり、 小売電気事業者及び需要家が購入可能です。

高度化法義務達成市場

販売電力量が5億kWh以上の小売電気事業者に対して「エネルギー供給構造高度化法」に基づき、非化石電源比率を2030年までに44%以上に引き上げることが求められており、この達成を後押しするために創設された市場が高度化法義務達成市場になります。小売電気事業者の購入が可能ですが、一定の条件を満たしている場合は、需要家が発電事業者から「非FIT証書(非FIT電源由来の非化石証書(再エネ指定あり・再エネ指定なし))」を直接購入することも可能です。これらの証書には、 2022年度よりトラッキング付きのものも含まれます。

市場 証書の種類 由来する電源 オークション形式 購入主体
再エネ価値取引市場 FIT証書(トラッキング付き) FIT電源 マルチプライスオークション 小売電気事業者、需要家、仲介事業者
高度化法義務達成市場 非FIT証書(再エネ指定)
非FIT証書(再エネ指定なし)
大型水力、卒FIT電源、バイオマス シングルプライスオークション 小売電気事業者(一定条件を満たした場合に需要家が発電事業者から直接購入可能)
非FIT証書(再エネ指定なし) 原子力、ごみ発電(廃プラ) ※今後、水素等も導入を検討

参考:資源エネルギー庁「非化石価値取引について」(2023年)

市場における非化石証書の価格動向と取引量

ここでは2024年度の非化石価値取引市場の価格動向や取引量を参考に、「FIT非化石証書」
「 非FIT非化石証書(再エネ指定・再エネ指定なし)」のそれぞれを解説していきます。

FIT非化石証書

約定量は年々増加傾向であり、2024年度第3回オークションでの約定量は過去最高の約153億kWhとなりました。また売り入札量が買い入札量を大きく超えるため、直近の約定最安価格は0.40円/kWhと低位安定しています。 参考:日本卸電力取引所

非FIT非化石証書 (再エネ指定・再エネ指定なし)

2022年度第3,4回と同様、2024年度第3回オークションでは売り入札を大きく超える買い入札があり、約定価格は最高価格の1.3円/kWhとなりました。これは事前に相対での取引によって大部分が取引され、売り札が激減。これにより高値になったといえます。引き続き、非FIT非化石証書のオークション動向には注目といえます。


非FIT非化石証書(再エネ指定)
参考:日本卸電力取引所


非FIT非化石証書(再エネ指定なし)
参考:日本卸電力取引所

非化石証書を利用する企業のメリットと購入プロセス

企業が非化石証書を利用することには、環境貢献や企業価値の向上といったさまざまなメリットがあります。この章では、非化石証書の具体的な活用方法とそれによる企業のメリットを解説します。また、実際に非化石証書を購入するためのプロセスや注意点についても詳しく説明します。

非化石証書購入のメリット:①環境貢献と企業価値向上

地球温暖化への対策が急務である時代、企業の環境活動を視覚的にアピール可能な非化石証書の活用は、消費者への信頼感に結び付き、企業の環境価値を向上させます。また企業のビジネス方針として脱炭素を推進することは、企業価値を向上させESG投資家の信頼を勝ち取り、大きな企業利益へとつながるでしょう。

非化石証書購入のメリット:②新たな事業戦略と持続
可能性への寄与

地球温暖化問題が深刻化するなか、化石燃料に依存することのない再エネの価値は向上しています。世界の脱炭素推進は急務であり、環境価値のある証書市場は今後拡大して行くことは間違いありません。持続可能な社会構築寄与のために事業戦略に脱炭素を組み込むことは、もはや企業の社会的義務である時代を迎えています。

非化石証書による取引は新たな事業戦略への確かな道筋と持続可能な社会貢献への大きなメリットを企業に与えるでしょう。

非化石証書購入における3つの手段

  • 再エネ価値取引市場で購入する

    従来は、小売電気事業者のみしかFIT証書を購入できませんでした。しかし2021年11月より再エネ価値取引市場が創設され、、需要家が直接FIT非化石証書を購入できるようになりました。購入方法は、オークション形式になります。

  • 高度化法義務達成市場で購入する

    「エネルギー供給構造高度化法」の目標達成促進のために創設された高度化法義務達成市場では、非FIT非化石証書(再エネ指定)および、原子力由来の非FIT非化石証書(再エネ指定なし)を購入することが可能です。ただし、購入できるのは小売電気事業者に限ります。

  • 市場を介さない相対取引で購入する

    相対取引とは小売電気事業者が発電事業者から、市場を通さずに非化石証書を購入することが可能な自由度の高い購入方法です。非化石証書だけではなく、発電事業者独自サービスを受けることができるという特徴もあり、さらに相互のやり取りで取引価格を決定することも可能です。

需要家による購入方法

  • 需要家自身が購入する

    需要家自身の市場参加が可能となり、需要家は「再エネ価値取引市場」にて直接非化石証書(FIT証書)を購入することができます。また、発電者と需要家における非FIT証書の直接取引は一定の要件を満たす、例えばバーチャルPPA等を通じて可能です。バーチャルPPAとは、実際の電力の供給は行わず、卸電力市場価格と契約した固定価格との差額を金融的に決済する契約形態で、需要家が再エネ価値を取得する仕組みです。

  • 代理購入事業者を通じて購入する(=非化石証書購入代行)

    小売電気事業者などの代理購入事業者を通じて、非化石証書のみを購入することが可能です。この場合、現在の電力契約を変更することなく、再エネに取り組むことが可能です。証書購入を依頼するため手数料が発生します。

  • 非化石証書付きの電力メニューを選択する(=再エネメニュー)

    電力会社によっては非化石証書付きの再エネメニューを提供しており、これを選択することで再エネに取り組むことができます。

非化石証書購入時の注意点

非化石証書を購入する際、日本卸電力取引所(JEPX)の市場取引を利用する場合は入札時期に注意しましょう。毎年2月、5月、8月、11月に入札があるので、事前に2か月前くらいから問い合わせが必要です。

株式会社FPSでは、非化石証書購入代行をしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

非化石証書の展望と再生可能エネルギー市場の発展

ここからは非化石証書における市場の展望と再生可能エネルギー市場の将来的な発展について解説します。

非化石証書価値の展望

非化石証書の市場(非化石価値取引市場)は企業の脱炭素への意識向上により、約定量は増え続けています。またトラッキング付FIT非化石証書の供給量は年々増加しています。2023年8月分オークションにおけるトラッキング割当量(53億kWh)は、2022年8月オークションにおける割当量(22億kWh)と比較して2倍超となりました。

2024年度からは、入札前に希望するトラッキング付の非化石証書を購入可能か確認できるようになり、発電設備が所在する都道府県、太陽光や風力などの発電設備区分、運転開始から15年以内の発電設備であるか、を条件に加えて指定できるようになりました。

非化石電源の属性情報を明確化するトラッキング付き非化石証書は、企業のグリーンウォッシュ(見せかけの環境活動)防止にも有効です。

再生可能エネルギー市場の将来的発展

透明性の高いトラッキング付き非化石証書は国際イニシアチブであるRE100に活用が可能など、国際的な価値をもたらします。
環境価値ニーズの高まりに呼応した透明性の高いトラッキング付き非化石証書の活用は、将来的に再エネ市場の発展にもつながる可能性を秘めています。

非化石証書の企業の脱炭素化への影響

非化石証書の価格や価値、非化石価値取引市場に焦点を当てて解説を行いました。非化石証書が再エネの普及拡大にどのような役割を果たすのか、ご理解いただけたのではないでしょうか。

再エネ導入を行うにあたり、コスト面で難しい企業においても、現在利用している電気を再エネ電源とみなすことができる非化石証書であれば、負荷なく自社の脱炭素化へつなげることができます。

また、非化石証書による再エネ導入を積極的に行うことでESG投資家が注目し、再エネ市場が活性化することは国内経済にも良い影響を与えます。

非化石証書の利用は国内の経済活性化や環境貢献につながる有効な手立てのひとつであることは確実です。自社の脱炭素化の施策として非化石証書の購入をぜひ検討してみて下さい。

FPSの非化石証書関連サービス

今後、再エネ市場が活発化していく中で、非化石証書の活用は企業の再エネへの取り組みに大きく影響を与えます。
しかし、非化石証書の購入には、RE100への対応要件や、再エネコスト、購入量など、自社の状況に応じて様々な調整が必要となります。さらに、実際に購入する際にはJEPXへの入会や専用口座の開設、入札に伴う事務手続きなど、手間がかかり、購入までに時間がかかってしまうことがあります。
FPSの非化石証書関連サービスを利用することで、これらの手間を省きながら、温対法やRE100など企業の再エネ目標や予算に合わせた最適な非化石証書の量を購入することが可能です。


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非化石証書の購入についてなど再エネ導入に関するご相談は、ぜひFPSにお任せください。
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