コラム
Column
2025.11.07
需要家必見:デマンドレスポンスで得られる節約メリットと導入のポイント
目次
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【再エネ取り組みロードマップ紹介】
資料ダウンロード弊社での導入事例を元にRE100達成までの
道のりをご説明します。 -
電気代高騰の解決策!?今注目されるデマンドレスポンスとは
近年の電気料金における課題感
ここ数年、日本国内の電気料金は上昇傾向にあります。
その背景には以下のような要因があります。
燃料価格の高騰(LNGや原油、石炭の輸入価格上昇)
為替の影響による輸入コスト増
再エネ賦課金など政策的コストの上昇
発電設備の老朽化や供給力不足による市場価格の高止まり
特に大規模に電力を使用する製造業や物流業、データセンターなどでは、電気料金が経営コストに占める割合が10〜20%を超えるケースもあり、利益率を圧迫する深刻な課題になっています。
さらに、夏季や冬季など電力需要が最も高まる時期には「電力需給ひっ迫警報」が発令されることもあり、単なる経済合理性の観点だけではなく、電力の安定供給を社会的に支える取り組みが企業に求められています。
解決策としてのデマンドレスポンス
そこで注目されているのが「デマンドレスポンス(Demand Response、DR)」です。
これは電力会社やアグリゲーターの要請に応じて、需要家(企業や家庭)が電力使用を一時的に減らす、増やすあるいは別の時間帯に移す仕組みを指します。
従来の「節電」が単に電力使用量を減らすだけだったのに対し、DRは「いつ電気を使うか」に着目して需要をシフトさせるのが大きな特徴です。これにより、需要家は電気代の削減だけでなく、報酬(インセンティブ)を受け取ることができ、さらに省エネ法への対応という法的メリットも享受できます。
デマンドレスポンスってなに?
デマンドレスポンスの定義
デマンドレスポンスとは、電力需給がひっ迫する時間帯に需要家が自発的に電力使用を調整し、電力需要パターンを変化させる取り組みを指します。
具体的には、以下のような対応が一般的です。
夏場の午後に空調の温度を2℃上げる
工場の一部生産ラインを一時的に停止または夜間へシフト
オフィス照明の一部を間引き、エレベーターの運転台数を減らす
データセンターでサーバー負荷を分散させる
余剰電力が発生した場合、蓄電池に充電させる
こうした取り組みによって、電力のひっ迫を抑えることができます。電力会社にとっては供給安定性が高まり、需要家にとっては電気代削減やインセンティブ収入というメリットが得られる、まさに「Win-Winの仕組み」といえます。
日本での普及状況や経済産業省の取り組み
日本では、2011年の東日本大震災・福島第一原発事故による電力供給力が不足し、夏季、冬季の電力需給の安定化が大きな課題となり、DRの導入が本格化しました。
経済産業省はDRを「電力需要抑制に資する活動」として推奨しており、補助金制度や実証事業も積極的に展開してきました。
特に省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)に基づき、大口需要家は毎年エネルギー使用状況を報告する義務があります。その際、DRの取組回数や効果が報告項目に含まれるケースが増えており、企業にとっては「やらなければならない必須の活動」となりつつあります。
海外での取り組み状況
海外ではDRが既に一般家庭レベルにまで広がっています。
・米国:
スマートメーターと連動したDRが普及し、家庭のエアコンやEV充電器が自動制御される仕組みが整備されています。
・欧州:
再エネ導入拡大に伴い、電力の変動を吸収する手段としてDRが重要視され、各国の制度に組み込まれています。
日本も再エネ比率の増加に伴い、今後さらにDRの普及が加速すると見込まれています。
デマンドレスポンスの種類
DRは、需要制御の方向によって大きく二つに分けられます。 電力需要を減らす(抑制する)「下げDR」 需要を増やす(創出する)「上げDR」
上げDR
DRの発動により電力需要を増加させます。
再生可能エネルギーの余剰電力が発生した際に、需要機器を稼働して消費したり、蓄電池に充電して吸収することで、出力制御せざるを得なかった電力を有効に活用することができます。
下げDR
DRの発動により電気の需要量を減らします。
電力需要のピークに達した際、需要機器の稼働を抑制することで、需要と供給のバランスを確保します。
需要制御の方法
さらにDRは制御方法の違いによって2つに区分されます。
電気料金型デマンドレスポンス
電力需要がピークとなる時間帯に電気料金を引き上げることで、需要家に電力需要の抑制を促す仕組み。
インセンティブ型デマンドレスポンス
事前に電力会社と契約を結び、電力会社からの要請に応じて需要を抑制した場合、その削減量に応じた対価(電気料金の割引や報酬)を得る仕組み。
この方法はネガワット取引とも呼ばれます。
デマンドレスポンスのメリット
電気代の削減
電気料金の基本料金は「最大需要電力(デマンド値)」で決まります。
つまり、ピーク時の電力を削減できれば、基本料金を下げられ、結果として年間電気代が数%〜10%程度削減できる可能性があります。
例えば、製造業の工場で空調負荷を調整しピーク電力を100kW削減できれば、年間で数百万円単位の削減効果が期待できます。
電力会社やアグリゲーターからのインセンティブ
DRに参加すると、電力会社やアグリゲーターから協力報酬が支払われる仕組みがあります。協力報酬には以下のような形式があります。
ポイント付与
キャッシュバック
契約電力料金の割引
このため、単なるコスト削減にとどまらず「新たな収益源」として位置付ける企業も増えています。
環境負荷の低減(CO₂削減)
DRは、新たな発電所を動かす代わりに需要家側で負荷を調整する仕組みであり、発電所側での負荷調整回数減少による運転効率向上や再エネ電源の出力抑制減少につながり、CO₂排出削減につながります。
企業にとっては脱炭素・ESG経営の具体的な施策となり、株主や取引先への説明責任にも応えられる点が重要です。
(大口需要家向け)省エネ法の遵守
特定事業者に該当する大口需要家は、省エネ法に基づき毎年「定期報告書」を提出する義務があります。
その中でDRは「電力需要の抑制に資する活動」として明記されており、取組回数や効果を数値で報告することができます。
また、DRの実施は省エネ法における加点項目として評価される取組でもあり、積極的に導入することで企業の省エネ評価につながります。
まとめ
デマンドレスポンスは、電気代の節約、コスト削減、そして環境負荷の低減を同時に実現できる有効な仕組みです。特に大口需要家にとっては、省エネ法に基づいてデマンドレスポンスの取組回数や効果を報告する必要があるため、もはや選択肢ではなく必須の取り組みといえます。導入することで、法令遵守はもちろんのこと、経営に直結するコスト削減やESG経営の推進まで一度に達成できるのが大きな魅力です。
電気代の高騰や環境対応に頭を悩ませている企業様は、まず自社の電力使用状況を把握し、デマンドレスポンスの導入をぜひご検討ください。FPSでは、企業様が手軽に始められるデマンドレスポンスプログラムをご提供しています。デマンドレスポンスの導入に関心のある企業様は、お気軽にご相談ください。
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